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泉美木蘭
2016.8.31 16:00

「NHK貧困女子高生」デマ記事メディアが謝罪

驚いた。
さきほど某紙記者の方から教えられて知ったのだが・・・
ライジングで取り上げたNHKの貧困女子高生バッシング事件には、
多くのネット民を扇動してバッシングを一気に加熱させる元凶となった
ある“
デマ記事”があるのだが、その記事を執筆し、ネット上に広めた
メディア
Business Journalが、当該記事をデマと認め、謝罪文を
掲載したのだ。
読んでみると、「実際には女子高生の部屋にはエアコンがなかった」など
記事内容の訂正が書かれているが、なにより仰天したのは、
その
記事執筆の過程のとてつもない杜撰さだ。

Business Journal 「お詫びと訂正」
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16526.html

「ビジネスジャーナル」は、「サイゾー」に編集部を置き、「LITERA(リテラ)」
とジャンルを分担する姉妹メディアらしい。
今回、NHKの貧困報道を受けた、
ネット民の悪辣な憂さ晴らし現象に乗じて、
なんら検証を行うことなく、当該人物への取材も行うことなく、
ただそのまま「女子高生=ヤラセ」と頭から決めつけ、
女子高生と、彼女をかばった姉への誹謗中傷を加熱させるための記事を
執筆し、掲載した。

しかし、これらは「事実誤認」だと発覚したと謝罪している。
事実誤認で済む話かよ、積極的な名誉棄損の罪じゃないかと驚愕するが、
さらに驚いたのは、元の記事では、
記者がこの件についてNHKに
問い合わせを行い、

「NHKとしては、厳正な取材をして、家計が苦しく生活が厳しいという
現状であることは間違いないと、担当者から報告を受けています。 
ですので、ネット等に関しましては、取材の範囲ではありません。
但しご意見は担当者に伝えます」 
との回答を得た、

と書き、あたかも女子高生がNHKを騙し、NHKにはそれを精査する能力が
なかったかのような印象を与える内容に仕上げていたのだが、
なんと、実際にはこのような問い合わせも行っておらず、NHKの回答として
わざわざカギ括弧つきで紹介した文章は、記者による架空の回答だった
こと
まで謝罪している。

あまりに悪質すぎる。
こんなむちゃくちゃな話があるか??

ネットのメディアだからこんな極限までの悪質さがまかり通るとも言える。
「外部の契約記者が執筆し、編集部も確認を怠った」と説明しているが、
そこかしこに張り巡らされたままのデマ記事は、読んでみると国語力皆無の
素人の書いた文章だとすぐわかる。

プロでもなんでもない、取材も行わない、メディアとして記事を出稿するとは
どういうことなのかに思い馳せることなく、執筆の緊張を伴わない人間を
気軽に「契約記者」として使い、
常識的には「ボツ」にしかならない文章を
まき散らして
いるだけなのだ。

ネットメディアなどまったく信用ならない。


瞬間的にネット愚民たちが食いつくようなエサをばらまいて炎上させ、
アクセス数を伸ばして、
広告費を稼ごうとするだけ。そんな輩に、
なんの罪もない女子高生とその家族が、
どうして名誉を棄損され、

つましく暮らす日々さえ、恐怖に破壊されなければならないのか??

こんなものに頭から疑問も抱かず、先頭に立って女子高生をバッシング
した片山さつきはどう釈明するつもりなのか?

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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